グローバルに展開している企業様(特に海外企業)では、だいたい自社グループの詳細な会計方針マニュアルを策定し、子会社に当該マニュアルを配賦しています。これは、子会社に対し、グループの会計方針を文書として明瞭に理解(その前には、当然研修というものもあるのですが)、認知させることで、親会社から子会社の会計方針・処理をコントロールする意図があるからです(当然親会社の現地の会計規則でそのように規定されている国もあるかとは思いますが)。

この点、日本では現在実務指針対応報告18号があり、IFRS若しくはUSGAAPとのコンバージョンのもと、最低限の調整はなされているかとは思いますが、実務上、現地での複雑な取引について、現地ではどのように会計処理をしているのかというのは、別途個別に親会社から現地とのコミュニケーションによりその内容を確認し、何らかの指示をしている現状が多々あるものと思います。

このように、日本の企業様ではグループ会計方針マニュアルというものについて、実はあまり馴染みがなく、一体どうやって策定していけば良いのかがよくわからないといったお悩みをお聞きすることも多々あります。


そこで、今回はグループ会計方針マニュアルの内容と策定方法についてのどのようなポイントに気をつけて策定をしていけばよいのかをご説明していきたいと思います。


マニュアル策定に際してのポイントとしましては、グループとしてのグループ会計方針マニュアルの意義により、構成の仕方や内容の充実度がおのずと決まってきます。

すなわち、最低限度としてグループ内で統一すべき会計方針を明らかにしていくのか、あるいは、子会社の実務担当者の実務指針として機能するような詳細なマニュアルにするのか等といった意義をまず明確にする必要がございます。


そして、グループ会計方針マニュアルの意義が決定した後、その意義に応じた構成の仕方や内容の充実度を決定していくことになります。

マニュアルの事例としてよくあるものは、IFRSの基準書ごとにマニュアル化する方法です。この手法によりますと、原本にあたります基準書をベースにグループのマニュアルを策定し、特に判断を要する箇所については自社のグループポリシーを挿入する手法になりますので、効率的なグループ会計方針マニュアルを策定することが可能となります。但し、当該手法の場合には、情報の集約性や実用性についてはあまり期待できませんので、結果的に親会社から子会社への追加指示等の負担が必要になってくるかと思います。

一方で、例えば、グループとして連結レポーティングパッケージの財務諸表の勘定科目(科目コードとの紐づき)ごとにマニュアル化する手法ですと、子会社からの連結決算報告をより支援できるとともに、親会社の意向に沿ったグループとして統一された会計方針で連結レポーティングパッケージを作成することが可能となり、情報の集約性や実用性があるといえます。但し、当該手法の場合には、情報の集約性や実用性をマニュアルに求めるため、策定及び策定後のメンテナンスに係る負担が重くなってくるかと思います。


このようにグループ会計方針マニュアルの策定については、グループとしてのマニュアルの意義を熟議した上で、その後の構成や内容を決定していくことで、スムーズな貴社独自のグループ会計方針マニュアルを策定することができるといえます。マニュアル策定にご興味がある方はお手数ですがご連絡を頂ければ幸いでございます。

詳しくは下記、福武公認会計士事務所まで問い合わせを宜しくお願いいたします。
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