それでは、まずIFRSとは何なのでしょうか。

 

日本では、企業会計基準委員会(ASBJ)により設定されます、一般に公正妥当と認められた企業会計基準、いわゆる日本GAAPが適用されます。この点、IFRSも一般に認められた会計原則であり、国際財務報告基準と呼ばれ、国際会計基準審議(International Accounting Standards Board; “IASB”)により設定されております。

 

ここで、IFRSの歴史を簡単に記載しますと、1973年に国際会計基準委員会(International Accounting Standard Committee; “IASC”)が設立され、同委員会により、財務諸表の作成及び表示に関する規則、会計基準及び手続の調和のために、国際会計基準(International Accounting Standards; “IAS”)及び解釈指針委員会(Standing Interpretations Committee; “SIC”)によって作成されたSIC解釈指針(SIC Interpretations)が公表されました。その後、公益に資するよう国際的な会計基準の統一を図ることで、世界中の利害関係者の経済的意思決定に資する目的で、IASCの活動を受け継ぎ、2001年に国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board; “IASB”)が設立され、IASCが公表してきたIASを受け継ぐと共に、その名称が変更されて2003年よりIASBによりIFRSが公表されました。この点、SICは、のちの国際財務報告解釈指針委員会(The International Financial Reporting interpretations committee; “IFRIC”)の前身であり、IASの解釈指針がSICであり、IFRSの解釈指針がIFRICとなっております。

 

このように、最近巷で良く使われているIFRSという基準は、実は1973年から発行されていたIASの名称が変更されたものであり、IASBが国際的な会計基準の統一を図ることで、グローバルで、企業が公表する財務諸表を利用する利害関係者の経済的意思決定に資することを目的として作成、公表されているのです。

 

第1回目はIFRS導入の背景を私なりに簡単に記載させて頂きましたが、色々な機関の名称やら基準の名称が入り混じっているので、読むのが面倒かと思いますが、導入の背景を知っておくことはIFRSを学習していく上で、重要な要素であると思いますので、頭の片隅にでも留めて置いてください。

 

このような感じで、次回はIAS1号財務諸表の表示について簡単に学習していきたいと思います。


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