この度は平成30年7月豪雨でお亡くなりになられました方々へお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆さまに謹んでお見舞いを申し上げます。皆さまの安全と、被災地の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

 今回の豪雨により、広島県福山市のため池が7日夜決壊し、幼い命が奪われてしまいました。
このため池は、決壊すると下流の住宅などに甚大な危険の及ぶ恐れのある「防災重点ため池」に指定がなされていなかったようです。
もともとため池は、大きな河川が乏しい地域などで農業用水確保のため造成されており、通常時は貯水に効果的であるものの、すでに大半が老朽化していることから、豪雨や台風で水位が急上昇したり、流れ込んできた土砂や流木で排水経路が詰まったりすると、決壊の恐れが高まっていることから、各都道府県や市町村では防災事業として重点管理されている状況です。

 一方で、行政からため池管理者に対して、どのような指導や支援、そして管理がなされているのかについて、住民に適切に開示されていないのが現状です。
近年の天災により、地震や台風等による洪水ハザードマップや土砂災害ハザードマップは浸透しつつあると思いますが、ため池についての情報はあまり知られていないと思います。
実はため池は全国で約20万か所もあるそうで、歴史的に水不足に悩まされてきた瀬戸内地方には、その半数以上のため池が集中しているようです。

 しかし、ため池の数が多い県や市町村ほど、実はため池への防災対策が進んでいないのではないでしょうか。当然対策には地元の同意や財政的な負担が必要になりますから。
水道管や道路の老朽化についても同様です。

一応、平成26年6月に閣議決定されました「国土強靭化基本計画」を改めてご紹介しておきます。
●国土強靱化の基本的考え方(第1章)
〔理念〕
○国土強靱化の基本目標
①人命の保護
②国家・社会の重要な機能が致命的な障害を受けず維持される
③国民の財産及び公共施設に係る被害の最小化
④迅速な復旧復興

国の施策、優先順位間違っていませんか。