①20×2年末時点で、付与ポイントの内90千ポイント(Y社が予想したポイントの2/3を使用)が使用され、Y社製品から値引きされた場合のY社の売上収益の仕訳
この場合、ポイント義務の履行として、113千円(=135千円×90千ポイント/108千ポイント(=135千ポイント×80%))の売上が認識されますので、以下のような仕訳になります。
借方) | 貸方) |
繰延収益 113 | 売上 113 |
②20×3年度中に、30千ポイントが使用され、Y社製品から値引きされた結果、使用ポイント総数は120千ポイントとなった場合の、Y社の売上収益の仕訳
この場合、120千円(=135千円×120千ポイント/135千ポイント)がポイント使用による累積売上収益となりますが、すでに20×2年末時点で113千円を売上計上しておりますので、仮に、ポイントの有効期限が2年を超える場合には、ポイント義務の履行として、差額の7千円を売上収益として計上することになりますが、本問でのポイント有効期限は2年間ですので、ポイントによるY社製品値引き義務は全て履行されたとして20×1年度末に繰り延べた135千円から、20×2年末時点に売上計上した金額113千円を差し引いた残りの22千円を売上として計上することになります。仕訳は、以下のようになります。
借方) | 貸方) |
繰延収益 22 | 売上 22 |
以上、今回はIAS18における役務の提供から生ずる収益やその他の収益について、簡単に学習をしてきました。ご存じの通り、IASBとFASBの間で、収益認識の共同プロジェクトが進められており、その公開草案として「顧客との契約から生じる収益」がすでに2回公表されております。「顧客との契約から生じる収益」では、履行した義務により収益を認識するという考え方を採用しており、いわゆるBSアプローチと呼ばれております。当該公開草案が基準化されればIAS18に置き換わるのですが、残念ながら今のところその時期はIASBから明確にされておりません。ですので、方向性がもう少し固まり次第、「顧客との契約から生じる収益」についてご説明をしていこうと思います。次回は、IFRS第9号「金融商品」について、学習をしていきたいと思います。
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