旧年中はご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。

昨年2月、ロシアによるウクライナ侵攻は世界中に衝撃を与え、世界大戦にはなっていないものの、欧米諸国からのロシア産エネルギー輸入規制による経済制裁の結果、グローバルなエネルギー供給網はもはや機能しなくなり、世界的にインフレが加速する結果となりました。

諸外国はインフレ抑制目的の利上げを実施していく中、日本は金融緩和政策維持により、昨年10月には円相場が1ドル=150円後半まで値下がりし、およそ32年ぶりの円安水準を更新することとなりました。この時期、財務省が10月31日に発表した9月29~10月27日の為替介入実績は6兆3499億円にも上り、単月での円買い・ドル売り介入として過去最大を更新していましたが、昨年12月20日、日銀は長期金利の許容変動幅をこれまでの0%プラスマイナス「0.25%」から同「0.5%」への拡大をサプライズ発表し、実質的な利上げ政策に舵を切ることになりました。

2013年から導入された「量的・質的金融緩和」政策は実質的に有名無実化され、今年は日本でも利上げが徐々に進む可能性があります。また、ここ10年程の利息負担の影響があまりなかった経済環境からの利上げ転換は、さらなる不確実性を招くことも予想されます。

このような難しい経済環境下ですが、潜在するビジネスリスクを事前に予防し、上手く航海し得るコンパスのような存在に当事務所がなれればと思います。

本年も宜しくお願い申し上げます。

令和五年 元旦
福武公認会計士・税理士事務所
代表 福武昌信